2006 Fiscal Year Annual Research Report
情報通信技術の適用を考慮したコミュニティケアシステムに関する研究
Project/Area Number |
05J00387
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
BOLT Timothy Barry 早稲田大学, 国際情報通信研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 在宅ケア / 地域ケア / 介護ケア / 情報共有システム / 情報共有の標準化 / 社会経済的分析 |
Research Abstract |
日本、英国など先進諸国の高齢化を背景として、これまでの家庭内に閉じたケアから、地域で各種の専門組織・専門家がチームを組んでケアに取り組む堆域ケアの方向が、現在模索されている。高齢者の地域ケアを可能とする情報共有システムについて、この情報共有を支援する情報ネットワークのあり方が、諸研究の目的である。 まず、ヘルスケア分野における情報通信の応用は、第一段階の個別機器の情報化、第二段階の病院等の個別施設の情報化を経て、現在は関連する施設間のネットワーク化の段階にある。関連する施設間のネットウークとして、病院等の医療機関を結ぶ医療情報ネットワークの研究開発は行われているが、高齢者の地域ケアに見られるように広範囲の各種専門組織および家族・ボランティア等を結ぶネットワークの研究はこれまで行われてこなかった.これらをつなぐ情報共有システムを考察した。 次に、「地域ケアのためのメッセージ交換ベースの情報通信基盤」と題して、前章で明らかにされた情報フローの分析に基づいて、関連する諸機関の間の情報のやりとりを「標準化されたメッセージ」を介して行う情報通信基盤を提案している。 さらに、「ヘルスケアと社会福祉の連携における情報品質の考察」と題して、関連する諸機関で分散管理される情報の品質について論じている。各情報項目の情報品質について共通の認識がなければ、分散管理されている情報をもとに適切な判断をすることができない。情報品質に関しては、これまではビジネス分野で研究が進められてきたが、ケア用のシステムでは長期保存を必要とする大量の個人情報を扱うこと、および家族・ボランティア等の広範囲の人が係わることから、新たな情報品質して情報項目毎に内容の更新、削除、他システムへの転送可能性(ポータビリティ)等の制御に関する権限を規定する「可制御性(Controllability))が必要になることを述べている。
|