2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J00429
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
岡村 陽介 早稲田大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 血小板代替物 / ナノシート / ナノ微粒子 / ナノクラゲ / ヘテロ表面 / 表面修飾 / リソグラフィー加工 / 親疎水性マイクロパターン基板 |
Research Abstract |
蛋白質の分子集合と重合反応機構を利用してクラゲ状ナノ組織体を構築し、出血部位に対する粘着、凝集の機能を併せ持つ新規の人工血小板の創製を目指す。具体的には、遺伝子組換えヒト血清アルブミン(rHSA)単分子膜を架橋したナノシートの表裏に異なる認識部位(表面:コラーゲン認識蛋白質(rGPIaIIa)、裏面:活性化血小板認識ペプチド(H12)結合ナノファイバー)を導入したナノクラゲを構築する。血流中でクラゲの傘の一部がコラーゲンに粘着すると傘が広がり傷口を被覆すると同時に、裏側から露出したファイバーが残存血小板を捕捉して高効率な凝集塊形成が期待できる。 本年度は、親水部(SiO_2)と疎水部(オクタデシルトリメトキシシラン;ODMS)からなる親疎永マイクロパターン基板(ODMS-SiO_2基板)上に、チオール基導入rHSA (SH-rHSA)を吸着、架橋、剥離可能なrHSAナノシートを構築した。更に、シートの片面に蛍光標識ラテックスビーズ(LB)を結合させ、ヘテロな表裏を持つナノシートを共焦点顕微鏡にて観察した。研究結果を以下に示す。 ODMS-SiO_2基板にローダミン標識SH-rHSA(pH 5.0,1μg/mL)を浸漬、未吸着SH-rHSAを除去後、銅(II)イオンを含む酢酸緩衝液中に静置した。蛍光顕微鏡にて観察したところ、ODMS領域のみが蛍光を発しており、SH-rHSAの選択的な吸着が確認できた。また、界面活性剤(C_<12>E_<10>)の添加後はSH-rHSAは観察されなかった。これより、ODMS-SiO_2基板へのrHSAの選択的な吸着と剥離が確認できた。さらに、剥離物をフィルターに捕捉し、共焦点顕微鏡にて観察したところ、ほぼパターン通りの形状を維持したシートが鮮明に3次元観察できた。従って、SH-rHSAのチオール基の自動酸化の進行によるrHSA間の架橋、シート形成が裏付けられた。LB修飾rHSAナノシートを543 nmで励起させ、検出波長(>560 nm)として共焦点顕微鏡観察したところ、湾曲したシート全面が赤色に発光した。そこで、458 nmで励起させ、NBDのみの検出波長(505〜530 nm)に設定したところ、シート状に黄色発光したが、湾曲部が消光(蛍光エネルギー移動)した様子が観察できた。これは、湾曲部の裏面にLBが存在しているためと考えられる。従って、シート片面のみにLBを結合できたことを共焦点顕微鏡観察によって初めて証明できた。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Hemostatic effects of fibrinogen-γ chain dodecapeptide-conjugated polymerized albumin particles in vitro and in vivo.2005
Author(s)
Okamura, Y., Takeoka, S., Teramura, Y., Maruyama, H., Tsuchida, E., Handa, M., Ikeda, Y.
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Journal Title
Transfusion 45
Pages: 1221-1228
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[Journal Article] Hemostatic effects of phospholipid vesicles carrying fibrinogen-γ chain dodecapeptide in vitro and in vivo.2005
Author(s)
Okamura, Y., Maekawa, Y., Teramura, Y., Maruyama, H., Handa, H., Ikeda, Y., Takeoka, S.
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Journal Title
Bioconjugate Chem. 16
Pages: 1589-1596
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[Journal Article] Platelet glycoprotein Idα polymorphisms affect the interaction with von Willebrand factor under flow conditions.2005
Author(s)
Matsubara, Y., Murata, M., Hayashi, T., Suzuki, K., Okumura, Y., Handa, M., Ishihara, H., Shibano, T., Ikeda, Y.
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Journal Title
Br.J.Haematol. 128
Pages: 533-539
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