2006 Fiscal Year Annual Research Report
SBRリアルタイム制御法を用いた単一槽型新規栄養塩除去・回収技術の開発
Project/Area Number |
05J00431
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
岸田 直裕 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 生物学的排水処理 / 窒素除去 / リン除去 / バイオリアクター / グラニュール / 生物膜法 |
Research Abstract |
本年度は昨年度までに確立したSBRリアルタイム制御法を用いた窒素・リン同時除去技術を実排水(畜産排水)処理へ適用することを試みた。まず,流入排水を人工排水から水道水で希釈した畜産排水に徐々に置換し,水理学的滞留時間(HRT)を変化させずに運転することによって,リアルタイム制御法を用いた窒素・りん除去が可能であることがわかった。人工排水の場合と同様に,好気工程において硝化・脱窒・リン酸取り込み反応の同時進行を確認した。しかしながら,HRTの増大とともに,反応槽内の微生物グラニュールの粒径の減少と脱窒能の低下が起こることを見出した。畜産排水のような高濃度窒素・リン含有排水の処理ではHRTを長めに設定する必要があり,結果的にグラニュールの選択圧が減少することが原因であると考えられた。そこで,本研究では余剰汚泥の排出方法に改良を加え,沈降性の低い余剰汚泥のみを排出する手法を提案した。そして,この手法を導入することによってHRTが長い場合でもグラニュールを維持することが可能であることを立証した。最終的に,無希釈の畜産排水を用いた場合も,処理水中の平均NH_4-N, NOx-N, PO_4-P濃度は,それぞれ0.1,1.4,1.2mg/L以下に抑えることが可能であることを示した。また,ポリリン酸蓄積細菌が槽内に集積されることで,汚泥中のリン含有率は約10%まで上昇したことこから,リン回収用原料として利用することも可能であると考えられた。 本研究で開発したSBRリアルタイム制御法は,単一槽を用いて窒素・リン同時除去が可能なため,既存の処理法と比較してコンパクトかつ高効率であり,さらに安定した処理能を達成することが可能である。また,実排水処理にも適用可能であったことから,今後様々な事業場への導入が期待される。
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Research Products
(2 results)