2005 Fiscal Year Annual Research Report
SBRリアルタイム制御法を用いた単一槽型新規栄養塩除去・回収技術の開発
Project/Area Number |
05J00431
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
岸田 直裕 早稲田大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 栄養塩除去 / 生物学的排水処理 / バイオリアクター / リアルタイム制御 / 好気性グラニュール / 生物膜法 / 自己固定化法 / 半回分式反応槽 |
Research Abstract |
本年度は窒素・リン同時除去のための最適制御手法の開発を行うために,主に制御パラメータの挙動解析及び確立を行った。また同時に除去効率を向上させるために,近年注目を集めている好気性グラニュール(自己造粒微生物群)の導入も検討した。 制御パラメータとしてORP・pH・DO・ECの挙動解析を行った結果,生物学的窒素・リン同時除去プロセスの最適化に適しているのは,pHおよびECであることがわかった。嫌気工程ではECプロファイルが唯一生物反応の終了を検出可能であった。一方,好気・無酸素工程ではpHプロファイルが生物反応の終了の検出に効果的であることが明らかとなった。また,流入排水のC/N(炭素/窒素)比が1.85〜3.75の範囲では,これらの制御パラメータを用いた最適運転が可能であることがわかり,幅広い排水種に適用可能であることがわかった。 好気性グラニュールの形成は,半回分式反応槽SBRを用いて比較的容易に形成可能であることがわかった。汚泥沈降工程時間を短縮することで,グラニュール化の促進が起こり,運転開始後約1ヶ月で直径500μm程度の沈降性の良好な好気性グラニュールが形成された。微小酸素電極を用いて測定を行った結果,好気性グラニュールの内部ではDOの拡散が生じており,曝気条件下においても内部に無酸素部位が生じていることがわかった。このため,無酸素条件下で機能する細菌(脱窒性リン蓄積細菌等)が,好気工程においても機能することが可能であった。このような特異的な現象が起こることにより,窒素・リン除去能が向上することが明らかとなった。酢酸を主成分とする人工排水を用いて処理実験を行った結果,グラニュール形成時には窒素およびリン除去率は,それぞれ99%,97%に達した。また,好気性グラニュール形成時においても,pH・ECプロファイルを用いた最適制御が可能であることがわかった。
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