2007 Fiscal Year Annual Research Report
直接観測に向けた重力波の理論的考察と予測波形のテンプレート作り
Project/Area Number |
05J00473
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
木内 建太 Waseda University, 理工学術院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 重力波 / 数値的相対論 / 強磁場中性子星 / カオス |
Research Abstract |
本年度研究においては、1)カオス力学系からの重力波の理論考察、2)平衡状態にある回転星強磁場星の性質、3)数値的相対論における定式化問題とその解決方法、の3項目について研究成果を挙げそれぞれ学術論文として発表した。 まず1については具体的なカオス力学系として2つのモデルを構築し、そこからの重力波を考察することで系のカオス性と重力波の相関について議論した。重力波のパワースペクトルがカオス性を示す量として有効であることを示した。 2については、マグネターと呼ばれる実際の強磁場中性子星を念頭に置き、その基本性質を探ることを目的とした。具体的には回転および磁場を伴った星の平衡形状を構築し、そこに現実的状態方程式を加味することで、星の質量、半径、最大磁場といった物理的諸量の定量的サーチを行った。結果として、磁場による効果で星の最大質量は約25%増加するという結論を得た。本項目において構築された平衡形状は、項目3における初期条件の提供という意味も含む。3については、アインシュタイン方程式を数値的に解くための優れた定式化を模索し、テスト問題において数値実験を行った。具体的には、Baumgarte-Shapiro-Shibata-Nakamura形式を拘束条件を用いて修正することで、拘束条件の破れを抑えることに成功した。我々の定式化を用いれば従来の計算方法より最大で計算時間が約10倍延びることがわかった。
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Research Products
(5 results)