2005 Fiscal Year Annual Research Report
ボース・アインシュタイン凝縮系における自発的対称性の破れと素励起
Project/Area Number |
05J00478
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
段下 一平 早稲田大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ボース・アインシュタイン凝縮 / 光格子 / ジョセフソン効果 / ボゴリューボフ励起 / 2重井戸型ポテンシャル |
Research Abstract |
1995年にアルカリ原子気体のボース・アインシュタイン凝縮が実験で初めて実現して以来、この分野での研究は実験・理論両面において著しい発展を遂げている。この系においては、実験家たちが原子に対する外場ポテンシャルを様々な手段で調節できるということが最大の利点の一つである。例えば、原子に対して斥力ポテンシャルとして働くレーザービームを閉じ込めポテンシャルの中心に照射すると、二重井戸型ポテンシャルができあがる。さらには、レーザービームの定在波を用いて、原子にとっての周期ポテンシャルを作ることもできる。 本研究では、1)1次元的な周期ポテンシャル中の凝縮体の素励起、2)二重井戸型ポテンシャル中の凝縮体の素励起を詳細に調べた。1)においては、Kronig-Penneyポテンシャル中における励起スペクトルのバンド構造を計算した。あらゆる深さの格子に対して低エネルギーの励起が音波分散になる原因がanomalous tunnelingというボース凝縮系の素励起に特有の性質にあることを明らかにした。2)においては、箱型の二重井戸型ポテンシャル中における凝縮体の集団励起を解析的に調べた。Gross-Pitaevskii方程式を解いてJosephson plasmaエネルギーを求め、Bogoliubov方程式を解いて励起スペクトルを解析した。凝縮体を分断している障壁ポテンシャルが強くなるにつれて、最低エネルギー励起が二重極モードからJosephson plasmaモードにクロスオーバーすることがわかった。このクロスオーバーの物理的解釈をanomalous tunnelingの観点から調べ、anomalous tunnelingが効いているかいないかがクロスオーバーが起こる障壁の高さを決めているのことを明らかにした。
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Research Products
(3 results)