2006 Fiscal Year Annual Research Report
天然生活活性物質lymphostin及びtetrapetaloneAの全合成研究
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05J00489
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
今村 圭佑 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 不斉全合成 / ヘテロ環 / アルドール反応 |
Research Abstract |
本年度は、すでに全合成を達成したLymphostinにおいて種々の誘導体合成(1,2)を行い、その化合物における活性発現機構の解明を行った。平行して行っている遠隔不斉アルドール反応についても検討を行った。エノレートの化学において、γ位における立体選択性を制御する遠隔不斉誘導の例は未だに無くこのような点からもこの研究に興味が持たれる。また、生成物はδおよびγ位に不斉炭素を持つαメチルα、β-不飽和カルボニル化合物であるが、この構造はポリケチド類によく見られるものであり、この様な大きな構造単位が高立体選択的に一挙に構築できることは、生理活性物質の効率的不斉合成を可能にするものである。既に数種類のアルデヒドおよびケトンにおいて高い立体選択性を実現している。また、立体選択性の低い系についてもその原因について追及し、その結果この反応においてはきわめて一般性の高い反応となっている。このアルドール反応を利用し、2種の天然物の全合成を達成した。すなわち抗ピロリ菌活性を有するactinopyroneA(5)の全合成および5-リポキシゲナーゼ阻害剤として有用なlagunamycin(6)の全合成である。両化合物共にその化合物が有するすべての不斉炭素原子を当研究室によって開発したアルドール反応によって構築し、効率的な合成経路の確立を行うと共に多くの誘導体合成を可能にした。それらの手法を用いて誘導体合成を行い、現在活性試験中である。
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Research Products
(3 results)