2007 Fiscal Year Annual Research Report
有機単分子膜修飾ゲートFETを用いたアミノ酸のオンラインキラル識別センサの構築
Project/Area Number |
05J00500
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
松永 真理子 Waseda University, 理工学術院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 自己組織化単分子膜 / 電界効果トランジスタ / アミノ酸 / バイオセンサ / キラルセンサ / 電気化学 / 分子認識 / キラル認識 |
Research Abstract |
「有機単分子膜修飾ゲート電界効果トランジスタ(FET)を用いたアミノ酸のオンラインキラル識別センサの構築」に向けて、単分子膜修飾電極上で進行するキラル識別現象のFETによる検出と、FET検出用キラル識別界面を研究した。 FETゲート表面のアミノ酸修飾法としてゲートSiO_2表面にAu薄膜を真空蒸着し、チオール系のアミノ酸を自己組織化させる方法を選択した。AuとSiO_2との密着層にTiを利用した場合、溶液中での測定に際して、ゲートに電流がリークする様子が観測され、それによりAu薄膜が脱着するという問題が認められた。そこで、Tiの代わりにAuと高い親和性を示すチオール基を末端に有し、絶縁膜としてリーク電流を防ぎうる3-メルカプトトリエトキシシランを利用し、溶液中での安定に動作するMOSFETの作成に成功した。また、この開発したFETを用いて「アラニンと"ゲート表面に単分子膜として固定したホモシステイン"との相互作用」およぴ「アラニンとホモシステインとCu(II)とでキラル選択的に進行するCu錯体形成反応」に伴うゲート電極表面の電荷量変化を、ゲート表面の電位変化としてFETによる検出を試みた。その結果、アラニンのキラリティーにより異なるFET応答が得られ、さらにCu(II)を添加するとその応答が安定するという結果が得られた。この成果はFETを用いたキラル検出に成功した数少ない例となる。 一方、キラル識別能を有することが知られている人血清アルブミンをDisuccinimidyl suberateを架橋剤として固定したITO電極を用いて、トリプトファン添加に伴う電極表面電位変化を測定したところ、トリプトファンのキラリティーによって異なる電位応答が得られ、新たなFETマイクロキラルセンサの認識界面となりうることが示唆された。
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Research Products
(12 results)