2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J00501
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
岩花 永以子 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | circadian / sexal hormone / estrogen / suprrachiasmatic / testosterone / GSK |
Research Abstract |
ほ乳類体内時計は視床下部の視交叉上核(SCN)にその発振源を有する。SCNの機能は外界の明暗情報を入力するcore部分とそれら情報を他の脳部位や他の身体に伝達するshellという領域に大別される。生殖腺ホルモンである男性ホルモンや女性ホルモンが体内時計に支配下にあることは既に知られているが、その直接的な作用機序については明らかにされていない。そこで行動学的あるいは解剖学的手法を用いて両生殖腺ホルモンの体内時計機構への作用機序を検討した。 まず雄マウスにおいては、その生殖腺を切除するとその活動量が大きく減退することにともなって、自由継続時間のtauなどの体内時計支配下と考えられる行動の変化が確認された。一方、テストステロンを再投与するとこれらの変化は元のレベルにまで戻った。そこでSCNにおけるAndrogen receptor(AR)-irの発現を調べたところ,ore内の体内時計支配下で発現するタンパクと同じ細胞に発現していることが発見され男性ホルモンの欠如による行動の変化はSCNを介する体内時計に直接的に関与する現象であることが明らかとなった。 次に、リチュムによる体内時計の活動量の自由継続周期がどのように変化するかを調べたところ、有意に延長することが明らかとなった。そこで、老齢ハムスターを用いて同様の研究を行ったところ、周期延長作用か認められなかった。この動物のSCNにおけるリン酸化GSKの発現パターンを調べたところ、若齢ハムスターで見られるリチュムによる免疫反応の増大が認められなかった。つまり、老齢ハムスターでは、何らかの理由で、SCNのGSKのリン酸化が進んでおり、このことがリチュムの作用をなくさせた原因であると考えられる。リチュムは躁鬱病の治療薬としてつかわれていることから、老齢者に投与するときにはその薬効に注意する必要が示唆された。
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Research Products
(2 results)