2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J00501
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
岩花 永以子 Waseda University, 理工学術院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | circadian / clock gene / estrogen / temperature / suprachiasmatic |
Research Abstract |
ほ乳類体内時計は視床下部の視交叉上核(SCN)にその発振源を有する。SCNの機能は外界の明暗情報を入力するcore部分とそれら情報を他の脳部位や他の身体に伝達するshellという領域に大別される。生殖腺ホルモンである男性ホルモンや女性ホルモンが体内時計に支配下にあることは既に知られているが、その直接的な作用機序については明らかにされていない。そこで行動学的あるいは解剖学的手法を用いて両生殖腺ホルモンの体内時計機構への作用機序を検討した。まず雄マウスにおいては、その生殖腺を切除するとその活動量が大きく減退することにともなって、自由継続時間などの体内時計支配下と考えられる行動の変化が確認された。一方、テストステロンを再投与するとこれらの変化は元のレベルにまで戻った。そこでSCNにおけるAndrogen receptor(AR)の発現を免疫組織化学的に調べたところ中心部の体内時計支配下で発現するタンパクと同じ細胞に発現していることが発見され男性ホルモンの欠如による行動の変化はSCNを介する体内時計に直接的に関与する現象であることが明らかとなった。一方、雌マウスは生殖腺を切除しても大きな変化は認めらなかった。しかしながら、深部低温リズムを調べてみると、昼間の睡眠時の体温が高いことが判明した。また、卵巣切除マウスでは周期が3-4時間の体温変動であるウルトラディアンリズムが見られた。ところでこれらの作用は時計遺伝子であるPer2の変異マウスでは認められなかったことから、時計遺伝子が深部体温リズム形成やウルトラディアンリズム形成にに関わっている可能性が指摘された。
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Research Products
(1 results)