2005 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変マウスを用いたホスホイノシチド動態の解析
Project/Area Number |
05J00512
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
飯塚 了太 秋田大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | イノシトールリン脂質 / ノックアウトマウス / トランスジェニックマウス / 細胞遊走 |
Research Abstract |
ホスファチジルイノシトール4,5-二リン酸(PI(4,5)P2)は、アクチン重合制御分子やエンドサイトーシス制御分子に直接結合し、細胞の形態変化やエンドサイトーシスを制御する。PI(4,5)P2と結合するGFP-PLCδ1-PHを発現するトランスジェニック(Tg)マウスから調製した好中球を、化学走化性因子で刺激したところ、細胞の進行方向に対して後ろ側の領域(後端部)にPI(4,5)P2の局在を示唆する蛍光の局在化が見い出された。この局在化は、細胞後端部の退縮を阻害するY27632(低分子量GTP結合タンパク質Rhoにより活性化されるROCKの阻害剤)によって抑制された。この結果は、遊走細胞後端部の退縮をPI(4,5)P2が正に制御する可能性を示唆している。次に、ROCKによるPI(4,5)P2の局在化機構を解析した。ROCKはPI(4,5)P2産生酵素であるPIP5Kを活性化することが報告されている。そこで、3種存在するPIP5Kアイソザイムの一つであるPIP5Kαの欠損マウスとGFP-PLCδ1-PH Tgマウスを交配して、PIP5Kα欠損PI(4,5)P2可視化マウスを得た。このマウス由来の好中球でPI(4,5)P2の局在を解析したところ、細胞後端部へのPI(4,5)P2局在化は、野生型と同様に見い出された。この結果は、ROCKが、PIP5Kα以外のPI(4,5)P2産生酵素を介して、遊走方向後端部でのPI(4,5)P2局在化を制御していることを示唆している。
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Research Products
(1 results)