2006 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変マウスを用いたホスホイノシチド動態の解析
Project/Area Number |
05J00512
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
飯塚 了太 秋田大学, 大学院医学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | イノシトールリン脂質 / ノックアウトマウス / トランスジェニックマウス / 細胞遊走 |
Research Abstract |
個体レベルでのホスホイノシチド動態を解析するために、前年度に作製したPI(4,5)P2可視化(GFP-PLCδ1-PH Tg)マウスに続き、PI(3,4,5)P3特異的結合能を持つBtkのPHドメイン、PI(3,4,5)P3とPI(3,4)P2の両者に結合能をもつAktのPHドメインとGFPとの融合タンパク質を、chiken β-actin promoterの制御下で発現するホスホイノシチド可視化マウスの作製を試み、それぞれの系統の樹立に成功した。 インスリン投与したAktPH-GFP Tgマウスの肝臓を灌流固定し、ビブラトーム切片の共焦点顕微鏡観察により、インスリン刺激によるPI(3,4,5)P3の産生を検出することに成功した。また、ビブラトーム切片に抗GFP抗体を免疫反応し、免疫電顕法(Pre-embedding法)による電子顕微鏡レベルでのホスホイノシチド動態の観察にも成功した。 また、これらホスホイノシチド可視化マウスと、本研究室で保持している各種ホスホイノシチド代謝酵素(PI3Kγ、PTEN、SHIP1)欠損マウスとを交配することにより、いくつかのホスホイノシチド代謝酵素欠損マウスにおけるホスホイノシチド動態解析が可能となった。新たな知見として、AktPH-GFP Tgマウスと、PI(3,4,5)P3分解酵素の一つであるSHIP1欠損マウスとの交配により得られたship1-/-AktPH-GFP Tgマウス由来の好中球を用いた解析から、PI(3,4,5)P3分解酵素であるSHIP1が細胞の遊走方向決定に重要な役割を果たすことが明らかとなった。
|
Research Products
(1 results)