2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J00529
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
古賀 裕明 National Institute for Materials Science, 計算科学センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 第一原理計算 / クラスター / 触媒 / 金 / 表面反応 / 電子状態計算 / CO酸化 / グリーンケミストリー |
Research Abstract |
金クラスターは、エネルギー消費の少ない低温反応プロセスを可能にする触媒として期待されているが、実用触媒として使うためには、安定性・耐久性向上が必須である。当研究では、金クラスターをCOで覆って安定化すること(カルボニル化)を想定し、カルボニル化しても金クラスターが高いCO酸化触媒活性を示すことを、以下のように第一原理計算(平面波擬ポテンシャル法による密度汎関数計算)により見出した。まず、金クラスターをCOで覆った構造が安定で、COが脱離しにくいことを計算により確かめた。(モデル系として、二十面体13原子クラスターを選んだ。このクラスターの表面は低配位原子のみで構成されるので、高い活性が期待される。)さらに、酸素は金クラスターではなく吸着子COの対に吸着して反応する(2CO+O_2→2CO_2)ので、吸着熱が反応に使われて、クラスター本体の熱崩壊が起りにくい。また反応熱も、生成した2個の二酸化炭素分子が即脱離して放出される。反応のエネルギー障壁の計算値は0.27eVで、低温でも反応速度が大きいと期待できる。反応により生じた空サイトが気相COにより占有されると、もとのカルボニル化クラスターに戻って触媒サイクルが閉じる。このように、触媒活性を保ちながら金クラスターを安定化する手段としてカルボニル化が有望であることを、理論計算により示すことができた。
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Research Products
(6 results)