2006 Fiscal Year Annual Research Report
発癌過程におけるp16INK4a遺伝子プロモーターのメチル化機構の解明
Project/Area Number |
05J00550
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
今井 暁子 (高橋 暁子) 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 癌 / 細胞老化 / p16^<INK4a> / pRB |
Research Abstract |
p16^<INK4a>遺伝子は正常細胞が分裂寿命に達した場合や、Ras遺伝子のようながん遺伝子が活性化され細胞ががん化の危険にさらされた場合に発現が誘導され、サイクリン依存性キナーゼ(CDK4/6)のインヒビターとしてRBのリン酸化を阻害する。その結果、細胞周期はG1期で停止し細胞老化(Cellular senescence)がおこることから、p16^<INK4a>は癌抑制遺伝子として機能することが知られている。昨年度に引き続きp16^<INK4a>蛋白のがん抑制機能について、SV40のLT抗原の活性を温度依存的に調節できるヒト正常線維芽細胞株(SVts8)やヒト正常線維芽細胞株(TIG-3,TIG-1,Hs68)を用いて解析を行った。その結果、p16^<INK4a>-RB pathwayが十分に活性化することによって、増殖刺激と協調的に活性酸素(ROS)/PKCδ pathwayが活性化されることを発見した。このことから、p16^<INK4a>蛋白は従来報告されてきたDNAの合成阻害能に加え、細胞分裂を阻害することで細胞老化の増殖停止状態の維持に関わることが示唆されたため、本年度はその成果をNature Cell Biology誌に報告した。
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Research Products
(4 results)