2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J00626
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
井上 仁志 愛媛大学, 連合農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 植物細胞生物学 / 葉緑体 / 蛋白質の膜透過 |
Research Abstract |
葉緑体蛋白質の9割以上は細胞質で合成された後、葉緑体へ輸送される。この輸送過程において、前駆体と葉緑体包膜に存在する輸送因子であるToc(外包膜)/Tic(内包膜)複合体とが不可逆的に結合することにより初期膜透過中間体が形成される。本研究は初期膜透過中間体の形成から膜透過の完了に至るまでの前駆体蛋白質と輸送因子との逐次的相互作用を明らかにすることを目的としている。 申請者はこれまでに初期膜透過中間体が、GTP/ATPと温度に依存して少なくとも三つの段階に分けられることをこれまでに明らかにしてきた(投稿準備中)。 次に、各段階における前駆体蛋白質と輸送因子との位置関係を、システインを移行シグナルに一個だけ導入した前駆体蛋白質と光反応性架橋剤(MBP:4(N-Maleimido)benzopllenone)を用いた部位特異的架橋法により解析を行っている。 その結果、複数の架橋産物が形成され、その中の1つは外包膜に存在しているToc75との架橋複合体であった。さらに、中間体の形成条件の違いにより、Toc75と移行シグナルとの架橋している位置が異なることを見いたしている(第48回日本植物生理学会年会松山(既発表))。 現在は、これまでの実験に使用した部位以外にシステインを導入した前駆体蛋白質を構築中である。それと合わせて、架橋複合体を形成している輸送因子の同定を行うために前駆体蛋白質に導入したタグを利用した架橋複合体精製のための条件検討を行っている。
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