2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J00626
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
井上 仁志 愛媛大学, 連合農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 植物細胞生物学 / 葉緑体 / 蛋白質の膜透過 |
Research Abstract |
葉緑体への蛋白質輸送過程において初期膜透過中間体が形成される。本研究では初期膜透過中間体の形成から膜透過の完了に至るまでの前駆体蛋白質と輸送因子との逐次的相互作用を明らかにする。一連の研究の過程で未知因子の発見・同定も期待される。申請者は、葉緑体への蛋白質輸送過程において形成される初期膜透過中間体がGTP/ATPと温度に依存して少なくとも三つの段階に分けられることをこれまでに明らかにしてきた(Gordon Research Conference on Protein・・・・・・・2005,New London(既発表)、投稿準備中)。 次に各段階における前駆体蛋白質と輸送因子の位置関係をより詳細に解析するため、光反応性架橋法を用いて、初期膜透過中間体における前駆体蛋白質と輸送因子と架橋複合体形成の条件検討(架橋剤の種類、反応温度等)を行った。その結果、以下の新たな知見を得ている(第78回日本生化学年会 神戸(既発表)、第28回日本分子生物学会年会 福岡(既発表))。 1.光反応性架橋剤(MBP:4-(N-Maleimido)benzophenone)で修飾した前駆体蛋白質を用いて初期膜透過中間体を形成させた後、架橋反応を行うと、架橋産物が形成された。 2.前駆体蛋白質のMBPを導入した位置、初期膜透過中間体形成時のエネルギー源及び反応温度の差異により異なる架橋産物が形成された。 3.架橋産物の一つはToc75との架橋複合体であった。 4.他の架橋試薬で修飾した前駆体蛋白質を用いた場合においてもToc75を含む架橋複合体が形成された。 現在は架橋複合体を形成している輸送因子の同定を行うために前駆体蛋白質に導入したHAやヒスチジンタグを利用した架橋複合体精製のための条件検討を行っている。
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