2006 Fiscal Year Annual Research Report
カルシトニン細胞の分化形成を司る分子システムの解析
Project/Area Number |
05J00653
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
日高 美江 静岡大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ニジマス / カルシトニン / 鰓後腺 / 甲状腺C細胞 / 転写因子 |
Research Abstract |
CT細胞で発現している特徴的因子について解析するため、サプレッション・サブトラクティブ・ハイブリダイゼーション法により半網羅的解析を行った。その結果、複数出たものには、CTやCGRPの他に、上皮細胞に特徴的とされるケラチン、カルシウム結合タンパク質のictacalcinや細胞の裏打ちタンパクに結合するとされるprotein4.1などが認められた。その中で、比較的多く得られた分泌性糖タンパク質のclusterinについて解析を進めた。RT-PCRにより、clusterinは解析した全ての組織で発現しているものの、鰓後腺で多く発現していることが予想された。さらに抗ペプチド抗体を作製し、免疫組織化学を行った結果、鰓後腺全体で染色が見られたが、特に濾胞に面した鯉後腺細胞のアピカル側の形質膜に強く発現が認められ、濾胞内にも貯留していると考えられた。 サプレッション・サブトラクティブ・ハイブリダイゼーション法では、転写因子は得ることができなかったが、私はニジマス成魚鯉後腺由来cDNAライブラリーからNkx2.1d、Pax1、FoxF1、FoxA1、およびFoxA2が存在することを示した。ルシフェラーゼアッセイで解析するため、ニジマスのCT-Ibの上流約2kbpと、メダカのCT/CGRP (calcitonin gene-related peptide)遺伝子の全てのexonを含む約7kbpをクローニングした。ルシフェラーゼベクターに組み込み、FoxA1とFoxA2を用いてルシフェラーゼアッセイを行ったが、有意な上昇は見られなかった。
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