2005 Fiscal Year Annual Research Report
コンピュータグラフィックスにおける物質の三態シミュレーションに関する研究
Project/Area Number |
05J00657
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
藤澤 誠 静岡大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | コンピュータグラフィックス / アニメーション / 流体シミュレーション / フォトンマッピング |
Research Abstract |
本研究では,近年盛んに研究されている,コンピュータグラフィックスにおける流体シミュレーションを用いて,固体から液体への変化など,物質が異なる相へ変化するなど,物質の三態を統合的に表現し,効率良くシミュレーションを行う手法を開発することを目的としている. 本年において,この三態の中で固体から液体への変化,つまり,融解現象についてのシミュレーションをまず行った.このシミュレーションでは固体内の温度変化(熱伝導)と空気との熱交換(熱伝達),さらに,黒体輻射による熱放射の影響まで考慮しており,特に熱放射の計算ではフォトンマッピング法を用いる手法を提案し,実際にその手法で現実の融解現象のように個体が変化するアニメーションを作成することに成功した.この研究成果は現在,情報処理学会誌に投稿中である. 融解後の液体はレベルセット法を用いてその振る舞いを計算し,相変化については液体だけでなく固体もレベルセット関数で表現することで成し遂げた.しかし,レベルセット法ではその界面を正確に保つために定期的な再初期化処理が必要であり,計算コストがかかる.さらに,今後,気体,液体,固体の三態を統合的に扱いたいのだが,レベルセット法では特別な処理を行わないとその実現が難しいため,本研究ではCCUP法を用いた気液固三相シミュレーションについて研究した.CCUP法は気体や液体など異なる相の流体を統合的に扱うことができる計算手法であり,その特徴として流体計算の中の移流部分にCIP法と呼ばれるプロファイルを正確に保存する方法を用いている.我々はこの手法を実装し、気液二相流や液体と固体の相互作用をコンピュータグラフィックスアニメーションで再現した.この結果は現在,国際的な学会誌に投稿中である.
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