2006 Fiscal Year Annual Research Report
コンピュータグラフィックスにおける物質の三態シミュレーションに関する研究
Project/Area Number |
05J00657
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
藤澤 誠 静岡大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | コンピュータグラフィックス / アニメーション / 流体シミュレーション / フォトンマッピング / VOF法 / CIP法 |
Research Abstract |
本研究では,近年盛んに研究されている,コンピュータグラフィックス(CG)における流体シミュレーションを用いて,物質が異なる相へ変化するなど,物質の三態を統合的に表現し,効率良くシミュレーションを行う手法を開発することを目的としている. 昨年度に開発した三相を同時に扱うことができるCIP法を用いた混相流シミュレーションプログラムを改良することで,固体が融解する現象をCGアニメーションで再現することに成功した.このアニメーションでは,固体内の温度変化(熱伝導)と黒体輻射による熱放射の影響に加えて,液体・気体による対流熱伝達をも考慮した.更に固体が解けることで液体に変化する現象を解析するために,CG分野で広く用いられているレベルセット法ではなく,VOF(Volume-Of-Fluid)法を用いる手法を提案した.VOF法では計算グリッド内の体積分率によって液体界面を扱うため,相変化解析ではその体積を単純に液体側に移動させるだけで済み,界面表現に符号付距離関数を用いるレベルセット法に比べてより効率的で直観的なシミコ.レーションが可能となった.しかし,VOF法はレベルセット法と比べてその界面の滑らかさの面で劣っている.我々は界面の滑らかさをある一定に保つために,界面制御のためにCIP法を拡張したRCIP-STAA法をさらにCG向けに改良した手法を提案し,それによりVOF法のグラフィックスにおける新しい道を切り開いた.この結果は現在,国内・国際の学会誌に投稿中である. また,この手法を用いることで,固体・液体間の相変化だけでなく,液体・気体間の相変化もシミュレーションすることができる.ただし,そのためには相変化時と流体移流時における体積保存の問題を解決しなければならず,CIP法を保存系に拡張したCIP-CSL法を現在研究・調査中である.
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Research Products
(1 results)