2005 Fiscal Year Annual Research Report
膜非結合型シンタキシン1Cの小胞輸送に関わる分子機構の解明とウィリアムス症候群
Project/Area Number |
05J00679
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
中山 高宏 杏林大学, 医学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | シンタキシン / 小胞輸送 / ウィリアムス症候群 |
Research Abstract |
本研究は(1)syntaxin(syn)1Cのtubulin結合部位を介してグリア細胞におけるGLUT-1形質膜移行が制御されるという仮説、及び(2)Williams症候群の特異な精神神経症状へのsyn1Cの関与の可否を明らかにすることを目的としている。 先ず、上記(1)の是非を検討するため、申請者は平成17年度より、tubulin重合速度の変化を蛍光タイムラプスシステムを用い観察することをめざした系の確立を行っている。T98Gグリア細胞に対して外来性syn1C遺伝子の導入を行ったところ、蛍光免疫染色下にて、tubulin染色像の減少傾向を見出した。そこでより詳細な解析のため、T98Gグリア細胞にGFP-tubulinを導入したトランスフォーマントの作製を試みたが、当初の予想に反し、その発現量が低く解析に不適当であることが判ってきた。現在この現象の改善と並行して、より高発現が期待される数種類の細胞株の樹立を行っている。 また一方で、上記(2)の因果関係を検討するため、申請者は平成17年度より、ウィリアムス症候群様の神経症状を示すsyn1A,1C欠失マウスでのsyn1C遺伝子の機能解析を行っている。先ずsyn1C遺伝子の代表的機能の一つであるグルコース輸送活性について、syn1A,1C欠失マウス及び野生型マウスよりグリア初代培養細胞を調製し、[^3H]-グルコースの輸送活性を指標に両者の比較検討を行った。その結果、ベースレベルでのグルコース輸送活性には両者の間で優位な差がないことが明らかになった。現在、ストレス条件下におけるグルコース輸送活性に差は見られないか検討を行っている。
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