2007 Fiscal Year Annual Research Report
膜非結合型シンタキシン1Cの小胞輸送に関わる分子機構の解明とウィリアムス症候群
Project/Area Number |
05J00679
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
中山 高宏 Kyorin University, 医学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | シンタキシン / 小胞輸送 / ウィリアムス症候群 |
Research Abstract |
本年度研究は、GLUT-1形質膜移行に及ぼすsyntaxin 1C(STX1C)の機能的役割を明らかにすることを目的として行われた。上記、是非を検討するため、申請者は平成17年度より、蛍光タイムラプスシステムを用いて、微小管の局所変化を観察することをめざした実験系の確立を行い、GFP-tubulinの高発現を示すFRSK細胞株を樹立することに成功した。この細胞株に対してDsRed蛍光標識されたSTX1C遺伝子を導入して、微小管ダイナミクスの変化を観察した。その結果、特に微小管退縮速度が減少し、逆に微小管静止時間は増加することを見出した。これに対して、微小管伸展速度及び微小管伸展退縮距離には変化は認められなかった。この現象がSTX1Cのtubulin結合部位に依存した効果であるのか否かを検証するため、tubulin結合部位特異的変異を加えたDsRed-STX1Cを導入したところ微小管ダイナミクスの変化が補償された。これらSTX1Cの効果は微小管ダイナミクスに影響を及ぼすことが知られているTaxolの効果と部分的に類似していたが、GLUT-1形質膜移行に与える効果は両者の間で異なることが明らかとなった。そこでFM1-43, FM4-64を用いて微小管上の小胞輸送ダイナミクスを解析したところ、STX1C導入細胞で小胞輸送速度と距離が減少したのに対してTaxolでは逆に増加していた。またGLUT-1細胞外ドメイン抗体を用いてEndocytosis過程に及ぼす効果を解析したところ、細胞内に取り込まれた単位面積あたりの小胞数はSTX1Cの野性型、変異型で有意な差は認められなかった。現在、Exocytosis過程に及ぼす効果を検討しているが、これまでの結果から少なくともSTX1Cは微小管ダイナミクスと微小管上の小胞輸送ダイナミクスに影響を与えていることが明らかになった。
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