2005 Fiscal Year Annual Research Report
クロマチン構造変換を介した心筋変性発症機序の解明〜心臓のエピジェネティクス〜
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05J00700
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
朝野 仁裕 国立循環器病センター(研究所), 循環動態機能部・日本学術振興会 特別研究員PD
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Keywords | 心臓 / 心不全 / 心筋症 / エピジェネティクス / ヘテロクロマチン |
Research Abstract |
1.クロマチン再構築因子LAMR1及び変異型LAMR1(LAMR1-TP1)の機能解析 (1)LAMR1-TP1の如何なる特異的変異が核クロマチンの構造変換、心筋細胞死の惹起、の原因となるか検討した。LAMR1およびLAMR1-TP1と、それらの中間変異体10種類を作製し、その中からLAMR1-TP1とHP1との結合性を喪失する変異体を選んでクロマチン再構築能の有無を検討した。さらに心筋細胞障害性についても検討を行った。クロマチン構造変換に及ぼす影響とその結果生じる遺伝子発現制御の変化について、心筋細胞だけでなく他細胞株についても検討するためCOS7細胞を用いて検討を行った。いずれも結果においてもHP1との結合性を喪失する中間変異体はLAMR1-TP1において認めたような細胞核内クロマチン構造の再構築能を欠失することが判明した。このことからこの中間変異体の持つアミノ酸残基変異がLAMR1-TP1のHP1との結合性に重要な役割を担うことが示唆された。 (2)LAMR1およびLAMR1-TP1の生化学的機能を明らかにするためにCOS7細胞および培養心筋細胞における各タンパクと特異的に結合するタンパクの分離精製および同定を行った。それぞれ14kDaおよび22kDaのタンパクを同定し現在その機能を解析中である。 2.クロマチン再構築による発現変化候補遺伝子の探索解析 LAMR1-TP1によるHP1との相互作用を明らかにするため、心筋細胞におけるHP1alpha発現下および抑制下における心筋細胞発現遺伝子プロファイルについて検討を行った。Affymetrics社GeneChipを用いて発現プロファイルの作成を行い候補遺伝子のリストアップを行った。本結果により発現変化を認めた遺伝子群に関するエピジェネティックな変化の有無に関して、現在検討をおこなっている。
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Research Products
(3 results)