2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J00712
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Research Institution | Policy Research Institute, Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries |
Principal Investigator |
鵜澤 いづみ (金子 いづみ) 農林水産省農林水産政策研究所, 地域振興政策部・日本学術振興会 特別研究員PD
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Keywords | 特定農業法人 / 集落営農 / 農業生産組織調査(富山県) / 集落営農実態調査(島根県) / 壮年人口 / 集落カード / オペレーターの人数 / 加工事業 |
Research Abstract |
平成17年度は、特定農業法人の集中している地域における集落営農分析を行った。統計分析には、富山県の農業生産組織調査、島根県の集落営農実態調査(ともに個票データ)、2000年世界農林業センサス集落カードを利用した。それによって集落営農の担い手不足の差異、とくに集落の壮年人口の格差による組織の違いを析出した。壮年人口の少ない地域(島根県)では、壮年人口が少ない集落ほど、そこで設立された集落営農の機械のオペレーターの人数が少ないという傾向がみられた。また、壮年の多い地域(富山県)ではそのような傾向が見られなかった。それには非農家層の厚みの違いや、地域労働市場の展開度の違いに起因するオペレーター労働の位置づけの違いも影響していると考えられる。この結果を中心に7月に行われた日本農業経済学会にて個別報告を行った。 また、実態調査としては特定農業法人を中心とし、とくに広島県、島根県の壮年の少ない地域の集落営農の実態を調査した。その際に、壮年人口規模とオペレーターの人数に着目するとともに、新たな方向性として営農だけでなく、加工事業に取り組む組織の調査も行った。営農以外の事業に取り組む組織は集落営農の先進地域においても未だに数が少ないが、その中においても多様な取り組みがみられる。また、広島県の安芸高田市の地域の自治組織についてもヒアリングを行う中で、地域自治の取り組みから生まれる集落営農組織が存在することを知った。営農以外の集落営農の特徴や、集落営農の設立の仕方による組織の差異などについては研究の主たる課題ではないが、次年度以降の研究の中で解明していきたい。
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