2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J00740
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
大塚 由美子 中央大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 発達 / 知覚 / 乳児 / 補完知覚 / 視覚的補完 |
Research Abstract |
本年度は以下の2つの実験を生後3-8ヶ月の乳児を対象に行った. (乳児におけるモーダル補完・アモーダル補完の知覚) 3-8ヶ月の乳児を対象にモーダル補完とアモーダル補完の発達を検討した.乳児は円と四角形が部分的に重なった図形に馴化後,欠けた円(四角)と完全な円(四角)で新奇選好をテストされた.円と四角形の重なった図形は図形の色に依存して主観的輪郭(モーダル補完)か遮蔽された対象の知覚(アモーダル補完)を引き起こした.実験1において,モーダル補完条件においては生後3-4ヶ月児も完全な円や四角形を知覚するが,アモーダル補完条件においては生後7-8ヶ月児でさえ完全な円や四角形を知覚することができないと示された.実験1においてはテスト図形がモーダル補完条件とアモーダル補完条件で異なっていたため,結果の差異がテスト図形の差異に依存していた可能性が考えられた.実験2においてはこの点を改善するため,モーダル補完条件とアモーダル補完条件で共通のテスト図形を用いた.その結果,モーダル補完条件では実験1と同様に生後3-4ヶ月児が完全な円や四角形を知覚するが,アモーダル補完条件においては生後5-6ヶ月になるまで完全な円や四角形を知覚できないことが示された.これらの結果からモーダル補完はアモーダル補完より早く発達すると示唆された. (乳児における透明視の知覚) 上記の研究で用いられた円と四角形が部分的に重なった図形の色を変化させることで,透明な図形が重なり合っている印象を引き起こす図形を作成し,生後3-4ヶ月児において大人と同じように透明視の知覚が生じるかを検討した.実験の結果,生後3-4ヶ月児も透明視を知覚し,重なり図形から完全な円や四角形を知覚することができることが示された.
|
Research Products
(4 results)