2005 Fiscal Year Annual Research Report
相同性遺伝子導入による内在性遺伝子の異所的転写活性化の分子機構解明
Project/Area Number |
05J00782
|
Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
渋谷 健市 独立行政法人農業生物資源研究所, 生理機能研究グループ・形態発生研究チーム, 特別研究員(PD)
|
Keywords | ペチュニア / エピジェネティクス / 転写制御 |
Research Abstract |
ペチュニアのクラスCホメオティック遺伝子pMADS3は雄ずいおよび雌ずいに特異的に発現し、その組織特異的発現はイントロン2中の転写制御領域を介して制御されている。pMADS3のゲノムDNA断片をペチュニアに導入することにより、pMADS3サイレンシング系統、および、花弁とがく片、茎葉に内在性pMADS3がエクトピック発現する(ect-pMADS3)系統が見出され、新規なエピジェネティック転写制御であると考えられた。これまでの解析により、ect-pMADS3表現型の発現には、pMADS3イントロン2(4kb)が導入遺伝子に含まれていることが必須であり、分離によって導入遺伝子を失った後代にもect-pMADS3表現型が現れることなどが示されている。さらに、ect-pMADS3表現型を示す形質転換体では、イントロン2配列を含む異常RNAの蓄積が認められたことから、RNA-directed DNA Methylation (RdDM)の関与が推測された。これについて検証するため、イントロン2の部分配列を標的とした逆反復配列を発現させて、RdDMを誘導することにより、ect-pMADS3現象を再現することができるか検討した。その結果、イントロン2部分配列を標的とした形質転換系統において、pMADS3エクトピック発現が誘導された。また、pMADS3エクトピック発現を示した系統では、逆反復配列の標的としたDNA配列がメチル化されていることが確認された。これらの結果は、pMADS3のエクトピック発現に、転写制御領域を含むDNA配列のRdDMを介したエピジェネティック制御が関与していることを示唆している。本研究の結果は、DNAメチル化が遺伝子の転写抑制だけでなく、転写活性化を誘導する場合もあることを示している。
|
Research Products
(1 results)