2005 Fiscal Year Annual Research Report
金微粒子による機能性ナノ空間の構築とDNAセンサへの応用
Project/Area Number |
05J00847
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
床波 志保 大阪府立大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | DNA / センサ / 金ナノ粒子 / ハイブリダイゼーション / ラベルフリー検出 / ナノギャップ電極 / 電気抵抗 |
Research Abstract |
遺伝子治療およびテーラーメイド医療の実現のためにはDNAチップの開発は欠かせないツールであり、検出プロセスの簡易化、装置の小型化、および低コスト化に関する研究が盛んに行われている。従来法は、蛍光ラベル化したDNAを用いた蛍光検出法により行われているが、蛍光スキャナなどの高額で大掛かりな装置が必要で、操作も煩雑になるなど未だに本質的な問題を抱えている。そこで本研究では、DNAが導電体として報告されたことに着目し、ハイブリダイゼーションにより生じるDNA自身の微小な電気抵抗変化を高感度に検出可能なナノ空間を有する機能性金微粒子膜の開発を試みた。検出信号としてDNA自身の電気抵抗変化を用いることにより、蛍光標識化が省略でき、それに伴い特別な装置が不要になると同時に操作手順も少なく、迅速な検出が可能になる。この膜のDNA検出への適応を試みた結果、DNAのハイブリダイゼーションに伴うDNA自身の電気抵抗変化を直接モニタリングすることに成功した。本年度は、様々な電気抵抗を持つ金ナノ粒子膜に対してDNA検出を行い、そのセンシング特性について検討した。また、プローブDNAの膜表面への吸着量の見積もりをHoechst33258を用いることにより行った。さらに、膜作製に関する検討として、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランによりガラス表面を活性化させた後、金ナノ粒子溶液に浸漬することにより膜の作製を行い現行法との比較を行った。 これらの成果については、国外雑誌(J.Am.Chem.Soc.)および国内外学会(日本分析化学会、ポーラログラフ学会、環太平洋国際化学会議、ヨーロッパ物質学会など)において発表を行った。
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