2005 Fiscal Year Annual Research Report
無機材料をベースとするプロトン伝導体の作製と広温度範囲作動型燃料電池の構築
Project/Area Number |
05J00864
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
手塚 照明 大阪府立大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 固体高分子形燃料電池 / 中温領域 / 無機-有機ハイブリッド / ガラスペーパー / 硫酸水素セシウム / リン酸二水素セシウム / ホスホシリケートゲル |
Research Abstract |
本年度は、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン-4官能アルコキシシラン-H_3PO_4系無機-有機ハイブリッドとガラスペーパーからなる複合体膜について、用いる4官能アルコキシシラン、あるいはガラスペーパーの種類による特性の違いを検討した。4官能アルコキシシランとして、テトラエトキシシランのかわりにテトラメトキシシランを用いた場合、複合体膜の導電率は若干低下するが、この膜を用いた燃料電池では発電特性が向上することがわかった。また、2種類のガラスペーパーについて検討を行った結果、空隙率が多い方が高い導電率を示し、均一な空隙を有する方が燃料電池に用いた場合に高い開回路電圧を示すことがわかった。 また、硫酸水素セシウム-ホスホシリケートゲル複合体について、その複合体中で生成した新規結晶とあわせて特性評価を行った。新規結晶は、出発物質である硫酸水素セシウムでみられた相転移はみられず、150℃で融解することを明らかにした。そのため、複合体が新規結晶の融点以上でも固体状態を維持するのは、ホスホシリケートゲルがマトリックスとして働くためであることがわかった。 さらに、固体酸として新たにリン酸二水素セシウムを選択し、ホスホシリケートゲルとの複合体を作製した。その結果、リン酸二水素セシウムとホスホシリケートゲルの加水分解によって生じたオルトリン酸の反応によって、複合体中においてCsH_5(SO_4)_2結晶が生成することを見出した。
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Research Products
(4 results)