2005 Fiscal Year Annual Research Report
摂動論的QCDにおけるRESSUMATIONの手法の改良と、散乱過程への応用
Project/Area Number |
05J00879
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
横谷 洋 新潟大学, 自然科学系, 特別研究員(PD)
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Keywords | 摂動論的QCD / 高エネルギーハドロン散乱 |
Research Abstract |
今年度は、Threshold resummationの手法における対数近似の精密化についての研究を主に行った。近年、DGLAP方程式の異常次元に対する3-loopのQCD補正の計算がMoch, Vermaseren, Vogtらによって行われた。この結果と、Drell-Yan過程に対する2-loopのQCD補正の結果を用いて、我々はDrell-Yan過程に対するThreshold resummationの効果を、対数近似の主要項の次の次の精度の補正まで計算し、その効果を調べた。さらに、この成果を用いて、近年提唱されているJ-PARC実験でのハドロン散乱実験に対して数値計算を行った。その結果、Resummationの手法は、QCDの摂動計算の低次の結果に対しては大きな補正を与えるが、対数近似の精度には大きく依存しないことがわかった。これより、Resummationの手法は、散乱のスケールに依らず、非常に収束性の良い近似を行っていることが示せた。この研究結果は、12月にKEKで行われたJ-PARC実験に関するワークショップなどにおいて発表された。 現在から次年度にかけての課題として、J-PARC実験におけるDrell-Yan過程における、ラピディティ分布に対してのThreshold Resummationの効果を調べることを計画している。また、我々は、過去さまざまな研究所で行われたDrell-Yan過程の実験データと、我々のラピディティ分布を含めた計算の詳細な比較を行い、妥当性や問題点を明らかにすることを計画している。この場合、Parton分布関数の精度の問題などが出てくることが予想されるが、それらについても同様に議論する予定である。
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Research Products
(1 results)