2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J00921
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
相田 恵 新潟大学, 医歯学系, 特別研究員(PD)
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Keywords | 三叉神経尾側亜核 / SP / NK1R / 生後発育 / 侵害受容 / 免疫細胞化学 |
Research Abstract |
本研究では免疫細胞化学的手法を用いて三叉神経尾側亜核におけるSPとNK1Rの分布の生後発育過程を検討した。さらに、コンピューターを用いた画像解析により、SPおよびNK1R陽性神経線維の密度の生後変化の定量化を試みた。 1週齢のマウスでは表層において強いSP陽性部位が観察され、その後一旦その分布密度は減少し、ふたたび深層において比較的密な分布を示した。2週齢のマウスでもほぼ同様の分布パターンを示していた。4週以降になると、表層でのSP陽性神経の分布に明らかな変化はみられないものの、深層でのSP陽性神経の密度は減少傾向を示し、8週になると深層ではほとんど観察されなくなった。一方、NK1Rは各週齢で表層部から中層にかけてNK1R陽性神経の数は減少するものの、さらに深層に向かうと再びNK1R陽性神経が密になるという分布傾向を示した。 これらの結果から、NK1RはSPの受容体であるにもかかわらず、マウス尾側亜核におけるSPとNK1Rの分布様式が異なること、特に、生後4週以降深層にSPが存在しないにもかかわらず、その受容体であるNK1Rが存在することが明らかとなった。また免疫蛍光二重染色を1週齢および8週齢のマウスについて行った結果、1および8週の表層でのSPとNK1Rの分布様式は前述の単染色の結果を同じであったが、表層ではSPとNK1Rが直接接触している部位は両週齢ともに非常にわずかであった。一方、深層でのSPとNK1Rの分布様式は1週と8週とでは大きく異なっていることが確認された。表層とは異なり生後1週でSPとNK1Rが直接接触している像が比較的多数みられが、8週ではこれらが接触している像は確認できなかった。 以上の結果より、侵害受容機構に重要な役割を果たしているSPとその受容体であるNK1R分布の生後変化は尾側亜核においてシナプスを介した伝達機構以外の機構があること示唆された。
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Research Products
(4 results)