2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J00921
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
相田 恵 新潟大学, 医歯学系, 特別研究員(PD)
|
Keywords | CGRP / SP / カプサイシン処理 / 三叉神経節 / 三叉神経尾側亜核 |
Research Abstract |
CGRPはサブスタンスP(SP)とともに、痛覚の一次求心性線維から放出される伝達物質であり、出生直後にカプサイシンを注射すると、このうちSPの放出ができなくなることが知られている。我々の研究グループはこれまでにカプサイシン処理をした動物におけるSPの分布を検討して、カプサイシンの投与はSPの放出障害を惹起することを示した。しかしながら、カプサイシン処理動物におけるCGRPの影響については明らかではない。したがって、カプサイシンによる求心性線維への影響を総合するためにはCGRPの検討が必要である。そこで本研究ではCGRPのカプサイシン投与後の生後変化を免疫組織学的に検討した。 計32匹のC57BL6のマウスを無処置群とカプサイシン処置群との2群に分けた。カプサイシン処置群のマウスは、生後48時間以内に50mg/kg皮下注射した。1,2,4,8週間後にマウスから延髄を摘出して免疫組織学的にCGRP、SP、カプサイシン受容体(TRPV1)の三叉神経脊髄路核尾側亜核(Vc)または三叉神経節(TG)における分布を検討した。 CGRPはVcではmarginal layerとSG layerに集積しており、またmagnocellular layerにも薄い層状の広がりを認めた。これらは1週から8週まで変化を認めなかった。一方、カプサイシン処理を行うと、深層のCGRPは減少して8週で認められなくなった。浅層でのCGRP量は定量的解析によっても両群間で違いを認めなかった。TGにおいては、CGRP含有細胞の面積は1週ではSP同様小さかったが8週では大きくなり、またTRPV1との同時の含有細胞はSPよりも少なかった。 これらの結果は、カプサイシン受容体を介した神経ペプチドに対する影響はCGRPとSPでは異なることを示しており、これはこれらの伝達物質の機能には違いがある可能性を示唆する。
|
Research Products
(4 results)