2006 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー治療薬開発〜非含窒素幻覚物質サルビノリンの合成研究〜
Project/Area Number |
05J00931
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
野澤 雅人 新潟大学, 大学院自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Salvinorin / Methyl barbascoate / Wieland-Miescher ketone / Hallucinogen / Alzheimer's disease / κ opioid selective agonist / Clerodane diterpenoid / Bioactive compounds |
Research Abstract |
フラン環を有するアルキル化剤を合成し、4位ケトンをケタール保護したWieland-Miescherケトンのエノン部の還元的アルキル化によるサルビノリンフロラクトン環部の収束的な合成を試みた。フリル側鎖の導入は困難であったが、ヨード酢酸エチルにより良好な収率でエステル側鎖を導入できた。エノンγ位に水酸基を持つ基質で同様な反応を行うと水酸基の脱離が進行しβ-γ不飽和ケトンを与えたが、反応温度を低温に保つことで目的とするエステル化体を得た。生成物のケタール脱保護を行いビスケトンとした後に、Wittig試薬でexoメチレン化を行うと、1位アルコールとエステル側鎖が環化し、ラクトン環を形成することにより、2箇所のケトン部が室温でexoメチレン化された。続いて、ラクトン環をLAH還元することによりジオールとし、1級と2級アルコールをそれぞれTBS、MPMにより選択的に保護した。続いて、2箇所のexoメチレン部をボランによりヒドロキシル化、酸化、異性化、アセタール保護により、アルデヒド等価体とした。TBSの脱保護、酸化により、アルデヒドとし、フリルリチウムを付加させ、12S:12R=2:3の比率でフリルアルコールを得た。(絶対構造は、フロラクトン環形成後のNOE観測により決定した。)続いて、12R-フリルアルコールのアセタール脱保護、DDQによるMPM脱保護、酸化、DCCを用いたメチルエステル化を経て、非天然型の立体構造を有する12-エピ-2-deacetoxy-サルビノリンAの合成に成功した。一方、ビスケトンに対し、ダブルエノールトリフレート化、エステル側鎖のWeinrebアミド化、フリルリチウム付加、ダブル一酸化炭素挿入反応を行うことにより、2つの不飽和メチルエステルと1位に酸素官能基を有するフリルケトンを短段階で合成することに成功した。
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Research Products
(1 results)