2007 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー治療薬開発〜非含室素幻覚物質サルビノリンの合成研究〜
Project/Area Number |
05J00931
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
野澤 雅人 Niigata University, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Salvinorin / Methyl barbascoate / Wieland-Miescher ketone / Hallucinogen / Alzheimer's disease / κ opioid selective agonist / Clerodane diterpenoid / Bioactive compounds |
Research Abstract |
1位(クレロダン位置番号)に水酸基を持つWieland-Miescherケトンに対し、ヨード酢酸エチルをアルキル化剤とした還元的アルキル化を行い、良好な収率でエステル化体を得た。4位のケタール脱保護を行いビスケトンとした後、Wittig反応によりexoメチレン化を行った。その結果、先に、1位アルコールとエステル側鎖がラクトン環を形成し、続いて4位と8位のケトン部が室温でexoメチレン化された。ラクトン環をLAH還元によりジオールとし、12位の1級と1位の2級アルコールをそれぞれTBS、MPMにより選択的に保護した。続いて、4,8位のexoメチレン部のボランによるヒドロキシル化、17,18位の同時酸化、安定形への異性化、アセダール保護により、アルデヒド等価体とした。12位TBSの脱保護、酸化により、11位ホルミル体とし、フリルリチウムを付加させ、12S:12R=2:3の比率でフリルアルコールを得た。続いて、12S-フリルアルコールの17位アセタール脱保護、1位のMPM脱保護、1,17,18位の同時酸化、DCCを用いたメチルエステル化を経て、2-deacetoxysalvinorin Aの合成に成功した。さらにTESエノールエーテルへと導き、二相系でRubottom酸化することで2位へのヒドロキシル基導入に成功した。TESエノールエーテル化において塩基処理の時間を短くする事により、8位異性化の問題を解決する事が出来た。最後に酢酸を用いた光延反応を行うことでSalvinorin Aの全合成を達成した。本研究は、2007年のエバンスらの収束的合成法に比べ9段階短い。さらに本合成法により天然物からの誘導が困難と考えられる12R-サルビノリン類合成への応用が期待される。
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Research Products
(3 results)