2005 Fiscal Year Annual Research Report
網膜機能障害における血液網膜関門クレアチン輸送担体発現変動機構
Project/Area Number |
05J00947
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
中島 寿久 富山大学, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | クレアチン / CRT / クレアチン輸送 / CRT安定発現細胞株 |
Research Abstract |
本研究は細胞外クレアチン濃度増加によるクレアチン輸送変動のメカニズムの解明を目的とし、本年度はクレアチン輸送担体(Creatine transporter, CRT)安定発現細胞株を作成し、細胞外クレアチン濃度増加時におけるクレアチン輸送能変動解析を行うこととした。最初にCRT発現ベクターとして、pcDNA3.1/CRTmycHis,pcDNA4/Xpress CRTおよびpCMV/mycCRTの三種類を構築し、宿主細胞にはHEK293細胞を用いてCRT安定発現細胞株を作成した。XpressCRTおよびmycCRT発現細胞ではmock細胞と比較して[^<14>C]クレアチン取り込みは有意に増加したが、各タグに対する抗体を用いたWestern blot解析ではCRTタンパク質を検出できなかった。CRTmycHisを安定発現させたHEK293(CRTmycHis/HEK)細胞では、取り込み時間1minで[^<14>C]クレアチン取り込みはmock細胞と比較して約25倍有意に増加した。また、CRTmycHis/HEK細胞への[^<14>C]クレアチン取り込みは濃度依存性を示し、そのMichaelis-Menten定数(Km)は237μMであった。この値はrat CRTのKm報告値29-500μMに近似した。さらに、biotin-avidin反応を利用して調製した細胞膜タンパク質を抗myc抗体を用いてWestern blot解析した結果、約70kDaにバンドを検出した。また抗myc抗体を用いた免疫染色により、CRTmycHisの大部分が細胞膜上に局在していることが示された。このことから、作成したCRTmycHis/HEK細胞において、CRTmycHisは細胞膜上に発現し、機能していることが示された。そこで、次にこの細胞を用いてクレアチン添加した細胞培地中でプレインキュベーションし(クレアチン処理)、[^<14>C]クレアチン取り込み解析を行った。その結果、[^<14>C]クレアチン取り込みはクレアチン処理時間および処理濃度依存性が示され、1hr,1mMクレアチン処理では、未処理と比較して54.7%減少した。さらに、[^<14>C]クレアチン取り込みの濃度依存性解析の結果、1hr,1mMクレアチン処理条件下では未処理と比較してKm値は変化がなく、Vは43.4%減少した。このことから、クレアチン処理による[^<14>C]クレアチン取り込みの変化は、細胞膜上に発現するCRTの減少によるものであることが示唆された。
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Research Products
(1 results)