2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J01039
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
梅谷 博之 京都産業大学, 文化学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | コピュラ / 存在 / テンス / アスペクト / モダリティ / モンゴル語 |
Research Abstract |
今年度はコピュラ・存在動詞baj-の用法間の関係や、従来のbaj-の用法分類の妥当性等について研究を進めた。昨年度の研究で、baj-の記述に当たって「主語の人称」「述語が名詞句であるか、それとも形容詞句であるか」「baj-が現れるのが主節中であるか、従属節中であるか」等の点に着目する必要性が明らかになったので、これらの点に注意しながら研究を進めた。また、baj-と関連する文法事項(所有表現やヴォイス等)の調査も行なった。データはモンゴル(2006年7〜8月及び2007年2〜3月の2回)と日本でネイティブスピーカーに面接調査を行なって得た。 研究成果の一部は2回の国際学会で発表した。第9回国際モンゴル学者会議(2006年8月10日、モンゴル国立大学)では「動詞述部中の補助動詞で用いられるbajnaの用法と、他の用法との関連」(原題はモンゴル語)という題で発表した。ここでは、「テンス・アスペクト表現中で用いられる」bajna(baj-の一形式)が「話者の発見」を表す場合がある事実を示し、baj-の「テンス・アスペクト表現中で用いられる用法」と「モダリティを表す用法」の関係を論じた。また、第7回ソウル国際アルタイ学会(2006年9月26日、ソウル大学)では"Factors relevant to the use of the present tense copula bajna in Mongolian"という題で発表した。この発表では、従来の分類で「コピュラの用法」に当てはまるとされていたbajnaの用例を「話者の発見を表すもの」「一時的状態を表すもの」「典型的繋辞として用いられるもの」の3つに分類した。そしてこの3項目の特徴を「主語の人称」及び「述語が名詞句であるか、それとも形容詞句であるか」という2つの観点から論じた。
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Research Products
(1 results)