2005 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジアの歴史的な地方都市における文化の形成と変容:住宅建築の転成を視点として
Project/Area Number |
05J01086
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
山口 潔子 滋賀県立大学, 環境科学部, 特別研究員
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Keywords | 東南アジア / 港市 / 歴史的建造物 / 世界遺産 |
Research Abstract |
今年度は、主にフィリピンと東南アジア島嶼部における住宅建築の研究を、アジア研究分野での学会やセミナーで発表すると同時に、来年度からの研究を世界遺産と文化財保存分野に広げるための研鑽を積んだ。 愛知大学で6月4-5日に開催された第73回東南アジア史学会大会で、「アメリカ期フィリピン都市にみる公共空間の変容過程:セブ島のプラサの事例」を発表した。その会場で、東京大学大学院人文社会系研究科での発表の機会を提案され、翌月7日に、アジア文化研究専攻にて「フィリピン都市と住宅建築」についてセミナー講義を行った。3時間半に及ぶ質疑応答を通し、多彩な聴衆から示唆をうけ、自身の東南アジア研究の問題点などを見なおすことが出来た。 7月29日より渡仏し、フランス国立高等社会学研究所Ecole des Hautes Etudes en Sciences Socialesに籍を置き、旧仏領インドシナ(ラオス、カンボジア、ベトナム)に関する歴史研究や、現在のフランスにおける東南アジア研究について調べた。12月末には、フィリピン学の国際誌であるPhilippine Studiesに、20世紀前半のアジア・アメリカ間の政治的変容と物流の変化、そしてその文化交差点としてのフィリピン建築に関する論文を投稿し、現在査読中である。 2006年1月3日から3月3日までは、国際連合教育科学文化機関UNESCOパリ本部の水資源部門において、世界文化遺産と水資源の関係についてのリサーチを行い、水、文明、建造物の関係をレポートにして提出した。3月9-11日には、米NY州のHofstra Universityにて開催される学会"Asian Merchant Cultures at the Crossroads"にて、19世紀の東南アジアにおける商家建築について口頭発表をした。
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