2005 Fiscal Year Annual Research Report
知的財産マネジメント能力の形成および蓄積に関する国際比較研究
Project/Area Number |
05J01088
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西村 成弘 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 知的財産マネジメント / 組織能力 / 国際比較 / 特許データベース / ダイナミック分析 / 電機・エレクトロニクス企業 |
Research Abstract |
(1)日本およびアメリカの電機・エレクトロニクス企業のいくつかを抽出し、各社の知的財産管理活動の実態を明らかにするための基礎調査を行った。研究対象とする企業がアメリカ特許商標庁、日本国特許庁に対して出願した特許について、各国特許官庁の公開する電子データおよび電子データ化されていない範囲については『特許公報』、『オフィシャル・ガゼット』等の紙媒体を用いてデータベース作成を行った。特許データは各国毎に膨大に存在し、またその大部分はテキストデータではなく紙媒体形態で存在するので、これを相当程度網羅的にデータベース化するには一定程度時間が必要であり、現在も引き続きこの作業を行っている。現在進行中のデータベース作成作業は、研究対象企業の日本、アメリカ、そして中国等への国際特許出願のダイナミックな傾向を明らかにしつつあり、日米電機・エレクトロニクス企業の国際的な知的財産マネジメント能力の特徴およびその能力形成の経路に関する定量的な分析結果を成果として公表するところまで進めることができた。研究成果は来年度に数本の学術論文として発表する予定である。(2)知的財産マネジメント能力の形成に関する歴史分析を行うために、9月にアメリカ合衆国ニューヨーク州のスケネクタディ・ミュージアム文書館およびメリーランド州の国立公文書館にて現地資料調査を行った。19世紀末アメリカ企業(エジソン社、トムソン=ヒューストン社、ゼネラル・エレクトリック社)の社内の知的財産マネジメント形成期の資料、日本の戦後特許制度や日本企業の知的財産マネジメント能力に影響を与えたと考えられるアメリカ政策当局およびアメリカ電機企業の行動に関するGHQ資料を収集し持ち帰ることができた。これらは現在鋭意解析中であるが、来年度に数本の学術論文として発表する予定である。
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