2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J01171
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石井 英真 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 学力モデル / 教育目標・評価 / 心の習慣 / ゴール / 学校改革 / 算数・数学 / 国際情報交換 / 米国 |
Research Abstract |
平成17年度当初の計画では、「傾向性(disposition)」や「心の習慣(habits of mind)」といった目標概念に焦点を当てながら、教育目標論の歴史的展開を描き出すことを主たる課題としていた。その際、米国での現地調査を行うとしていた。当初の予定通り渡米し、コロンビア大学ティーチャーズカレッジなどでの文献調査、および、R.J.マルザーノ(Marzano)氏(「学習の次元」開発の中心人物)へのインタビューなどを行った。その一方で、京都市立高倉小学校を中心として、算数・数学科の授業づくりに焦点化したアクション・リサーチを開始した。当初の計画では、日本の教育現場でのアクション・リサーチは、米国の教育目標・評価研究の到達点と課題の整理の後に、次年度以降実施する予定であった。しかし、内外のアクション・リサーチの方法論に学ぶ中で、米国の研究動向の整理と日本の教室での実践研究とを同時並行的に進めていく方が有効であると判断した。そして本年度の成果として、下記の知見を得た。従来の教育目標・評価研究、学力モデル研究では、一単元を単位とする議論が主であった。しかし、米国での研究・実践の方向性、また、現在の日本の学校現場の問題が要請しているものを考慮すると、ロングスパンのカリキュラム開発や学校改革のレベルでの立論が必要であると考える。たとえば、「心の習慣」という情意的性向を、学校共同体が追求する価値や人間像(ヴィジョン)に根ざすものとして捉える。そして、記述の具体性の程度において、「目的(aims)」と、「目標(objectives)」の間に位置する、学校教育目標(「ゴール(goals)」)として設定していく。こうして、授業・単元目標、教科・学年目標、学校教育目標の三つのレベルで、カリキュラム開発、学校改革を導いていく目標設定の枠組みを仮説的に構成した。
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Research Products
(1 results)