2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J01198
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
須山 孝夫 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 超弦理論 / ブラックホール / 可解模型 / タキオン凝縮 / くりこみ群 / 重力 |
Research Abstract |
(1)行列模型によるブラックホールの記述 以前の研究において、2次元ブラックホール中の弦理論が行列模型で記述できることが分かっていたが、私はこれを拡張して超対称性を持つ弦理論(Type0A理論)でも同様の記述が可能であることを示した。この研究においては特に非摂動効果に焦点をあて、弦理論による計算と行列模型による計算が一致することを確認した。ここで議論した非摂動効果は、ブラックホールの地平面近傍の情報と関係していることが期待されるため、ブラックホールの性質を解析する上で重要な役割を担うことが予想される。この研究は韓国人研究者等との共同研究である。 (2)タキオン凝縮 弦理論の真空の中には、「虚数質量」を持つ粒子(タキオン)が存在することがある。そのような粒子は凝縮し、真空の相転移が生じると考えられている。閉弦の理論に現れるタキオンの凝縮はまだ充分に理解されていない。私は閉弦理論のタキオンの凝縮を記述する方法を提案し、その帰結としてどのような相転移が生じるかを議論した。一般にタキオン凝縮の結果として重力を含む相互作用が強くなることが予想されるため、更なる研究のためには弦理論の強結合極限の深い理解が必要であることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)