2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J01283
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安田 健彦 Kyoto University, 数理解析研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | フロベニウス射 / ヒルベルト・スキーム / 特異点解消 / 双有理幾何学 |
Research Abstract |
19年度は、17,18年度に研究した高次ナッシュ爆発の類似物であるF爆発について主に研究を行った。F爆発は正標数の代数多様体に対しフロベニウス射とヒルベルト・スキームを使って定義される。トーリック曲面のF爆発をグレブナー基底を使って計算したところ、最小特異点解消が得られることを発見した。それにより、F爆発が興味深い研究対象であると分かり、本格的な研究を始めた。 その後、F爆発は様々な良い性質を持つことが分かった。まず、その自然な構成法から、F爆発は良い関手性をもつ。例えば完備化、積、スムーズ射、基礎体の拡大と可換になる。また、ある特異点のクラスに対しては、F爆発は良い特異点解消を与える。まず1次元の代数多様体に対しては、常に特異点解消を与える。また、商特異点に対しては、Gヒルベルト・スキームからF爆発に自然な射がある。さらに有限アーベル群による商のときは、それが同型になることを示した。これにより、ある特異点のクラスに対して、F爆発がクレパント特異点解消になることを示した。この事実は、F爆発はマッケイ対応と関係があることを示唆しているように思えるが、これは今後の研究課題だ。 各自然数eに対し、e次F爆発がある。1次F爆発、2次F爆発、…という列の性質に関しても、いくつかの結果が得られた。次の場合に列が安定であることをしめした:1.1次元。2.商特異点。3。正規トーリック多様体。それから、正規とは限らないトーリック多様体に対して、列がある一つの爆発で押さえられることを示した。これはフロベニウス射が同時平坦化可能であることと同値だ。この事実は、フロベニウス射を使う様々なテクニックを特異点を持つ代数多様体に適用するのに役に立つと思う。また、弱正規な代数多様体に対してe+1次F爆発からe次F爆発に自然な射があることを証明した。
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Research Products
(1 results)