2007 Fiscal Year Annual Research Report
機能性分子集合体の開発を目指した新規イミダゾール連結型化合物の合成と物性研究
Project/Area Number |
05J01304
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村田 剛志 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | イミダゾール / 核酸塩基 / 有機導電体 / 水素結合 / 電荷移動錯体 / 超分子化学 / 単一成分有機導体 |
Research Abstract |
エチレンジチオ基で修飾したTTFとイミダゾールの連結体の電荷移動錯体について、F4-TCNQとの錯体化を検討し、電子ドナー・アクセプター分子がσ-結合を介して連結した双性イオン型の化合物を得た。結晶構造解析の結果、イミダゾール骨格の水素結合とTTF骨格での多点的なカルコゲン原子間相互作用によって多次元的な集合構造を形成することを明らかにした。また、この双性イオン型化合物は、有機単一成分系としては比較的高い導電性(室温伝導度10-5 S cm-1)を示した。 核酸塩基骨格を含む電荷移動化合物の研究について、TTF骨格から核酸塩基の一つであるシトシン環が縮環した分子を新規に合成した。X線結晶構造解析の結果から、これらが核酸塩基に特有の相補的な水素結合による自己集合能を発現することを明らかにした。特に、2つの分子のうち1つを脱プロトン化したものから構成される塩において、ヘミ脱プロトン化シトシン対の形成をはじめて確認した。また、これを用いた電荷移動錯体及び中性ベタインラジカルの合成を行った。特に中性ベタインラジカル種は、有機単一成分系としては高い導電性(室温伝導度10-3 S cm-1)を示した。 核酸塩基の一つであるグアニンをブチル基で置換した誘導体とTCNQ誘導体との電荷移動錯体の合成並びに物性について研究を行った。その中で、F1-TCNQ及びF2-TCNQ錯体の合成と結晶構造解析に成功した。これらについては高導電性を示す錯体は得られていないものの、いずれにおいてもプロトン化したグアニンの形成する相補的水素結合とπ-スタックより自己集積化し、層状構造を構築することを明らかにした。
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Research Products
(12 results)