2005 Fiscal Year Annual Research Report
フェムト秒レーザーによるガラスフォトニック結晶の作製と光集積回路への応用
Project/Area Number |
05J01311
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
兼平 真悟 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ガラス / ボイド / フェムト秒レーザー / 周期 / フォトニック結晶 |
Research Abstract |
ガラス内部にフォトニック結晶を作製するための基礎技術として、ガラス基板内部に亀裂を発生させることなくドット状の空孔(ボイド)を作製可能なレーザー条件の調査を行った。ガラスは、市販されているホウケイ酸ガラスを使用した。繰り返し周波数1kHzのフェムト秒レーザー(スペクトラフィジックス社製)、200kHz(コヒーレント社製)を使用し、対物レンズ、パルスエネルギー、集光部の深さ、照射パルス数の調整を行い、ガラスの加工を試みた。 繰り返し周波数が200kHzのレーザーを用いてガラス内部に集光照射(パルスエネルギー:0.5μJ〜1.3μJ)すると、レーザー集光部に直径1μm程度の黒いドットが確認できた。ドット周辺部に関してAFMを用いて解析した結果、黒いドットはボイドであることを確認した。レーザーのパルスエネルギーを上げると、ドット周辺部においてリング状の屈折率変化が誘起された。ドット周辺部に関してEPMAによる組成分析を行った結果、ガラスを構成する特定のイオンが移動している現象(イオン交換)が確認された。 繰り返し周波数が1kHzのレーザーを用いて、上記と同様にガラス内部に集光照射(パルスエネルギー:10〜40μJ)すると、数100nmサイズのボイドがレーザー照射方向に複数並ぶ現象を確認した。ボイドは等間隔に周期を有して並んでおり、レーザーの照射条件を変化させることで、ボイドのサイズ、数、周期を制御できることを確認した。ボイドの周辺部にはクラック等も確認されず、良好なボイドが形成できていることを確認した。 以上のように、レーザーの照射条件を調整することで、ガラス基板内部に亀裂を発生させることなくボイドを作製、また形状の制御を行えることを実証した。
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Research Products
(4 results)