2006 Fiscal Year Annual Research Report
カチオンプール法及びカチオンフロー法を用いる革新的有機合成反応の開発
Project/Area Number |
05J01320
|
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
山本 祥正 長岡技術科学大学, アジア・グリンテック開発センター, 助手
|
Keywords | 天然ゴム / グラフト共重合 / アクリロニトリル / 尿素 / 脱蛋白質化天然ゴム |
Research Abstract |
ゴムの樹(Hevea brasiliensis)から産出される天然ゴム(NR)はゴム素材として要求される物性をバランスよく兼ね備えている.しかしながら,耐油性や耐オゾン性などのマトリックスに支配される物性に劣ることが問題とされており,これらを軽減するために,NRへのビニルモノマーのグラフト共重合が検討されている.特に,NR粒子表面へのビニルモノマーのグラフト共重合は興味深く,NR粒子が機能性ポリマーで覆われるため,たとえ機能性ポリマーが少量であっても,その機能を十分に付与できると考えられる. NR粒子表面へのビニルモノマーのグラフト共重合は,平均直径約1μmのNR粒子を水に分散したラテックスの分散質を覆うように異種モノマーをグラフト共重合することにより達成されると考えられる.しかしながら,水中に分散するNR粒子は化学反応を阻害するタンパク質で覆われているため,NRラテックスにグラフト共重合をしても副反応によりグラフト効率は低くなることが知られている. 本研究では、当研究室が開発した尿素存在下での脱タンパク質化により得られた脱蛋白質化天然ゴム(DPNR)に3.0mol/kg-rubberのアクリロニトリル(AN)をグラフト共重合させることにより,直径約1μmのNR粒子が厚さ10nm程度のPANで覆われていることがTEM観察により明らかとなった.また,リノール酸を用いた浸透速度測定より,DPNR-graft-PANの浸透時間は未処理のDPNRよりも長くなることが判明した.以上の結果から,ANをDPNRにラテックスの状態でグラフト共重合することにより,NR粒子がPANで覆われていると考えられる.
|
Research Products
(2 results)
-
-
[Journal Article] Generation of Pyridyl Coordinated Organosilicon Cation Pool by Oxidative Si-Si Bond Dissociation2007
Author(s)
Nokami, T., Soma, R., Yamamoto, Y., Kamei, T., Itami, K., Yoshida, J.
-
Journal Title
Beilstein Journal of Organic Chemistry 3
Pages: 7