2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J01369
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
江藤 朋憲 Kyoto University, 医学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | AID / RNA編集活性 / 抗体のクラススイッチ / 体細胞高頻度突然変異 / B細胞 |
Research Abstract |
我々の研究グループは、抗体のクラススイッチ及び体細胞高頻度突然変異の機構に必須であるAIDの機能解析を行うことで抗体分子の多様性が生み出される分子機構の解明を目指している。 我々のAID変異体解析の結果からクラススイッチ及び体細胞高頻度突然変異を誘導する際にはAIDと共同して働く因子、コファクターがそれぞれに存在していると考えられるが、現在のところ、このようなコファクターの同定は誰も成功していない。しかし、我々はAIDコファクターの同定を従来使われているyeast two-hybrid法を用い、陽性候補を88遺伝子得ることができた。得られた候補遺伝子をデータベースサーチで選定し、酵母レベル(非生理的条件下)から哺乳類培養細胞レベル(生理的条件下)といった実験段階を経て、得られた候補遺伝子とAIDとの物理的関連、機能的関連を解析している。さらに、in vitroの実験系でAIDコファクターであると決定した遺伝子についてノックアウトマウスを作成し、in vivoでの解析を行う。しかし、酵母レベル(非生理的条件下)から哺乳類培養細胞レベル(生理的条件下)といった実験段階を経ることができた分子が極めて少なく、我々の期待した分子ではないと考えられた。さらなる同定作業が必要となる。コファクターの同定と同時に免疫応答におけるAIDの活性制御のメカニズムの解明も行った。 また、抗原を排除する抗体を産生するB細胞は、B細胞表面に数多くの機能分子を発現している。これら、B細胞の活性、抑制を制御する表面分子の解析を行うことも同時に進めて行く。実際にはB細胞の活性、抑制を制御する表面分子のノックアウトマウスの解析を行った。 このようにAIDの機能制御解析、B細胞表面分子の両方向からの解析を行うことで高次の免疫反応の分子メカニズムの解明に繋げることができるであろう。
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