2007 Fiscal Year Annual Research Report
直接的触媒的不斉反応による4置換炭素の構築と錯体高次構造機能の制御
Project/Area Number |
05J01415
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 暁丈 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 不斉触媒 / マンニッヒ |
Research Abstract |
私はβ,γ-不飽和エステルを求核剤とした直接的触媒的不斉マンニッヒ型反応の開発を行ってきた。イミンの保護基としてジフェニルホスフィノイル基を用いて検討を重ねた結果、リチウムフェノキシドがジェノラートのα付加選択的な反応、及びそれに続くα,β-不飽和エステルへの異性化を触媒し、アザ森田ベイリスヒルマン反応の成績体と同様の化合物を与えることがわかった。さらに種々の金属フェノキシドを検討したととろ、バリウムフェノキシドが触媒活性の点で最も優れており、様々な置換基を有する芳香族イミン、複素環を有するイミン、さらには不安定な脂肪族イミンにも適用可能であった。触媒量は0.5mol%まで低減可能であり、最高150というTONを達成した。次に不斉配位子を用いたエナンチオ選択的な反応への展開を試みた。バイノールなどの既存のフェノール型の配位子を種々試したが、エナンチオ選択的は極めて低く、新たな配位子の創製が求められた。そこで構造のチューニとグが容易なビアリルジオール型の配位子に着目した。様々な置換様式を持っビアリルジオール型の配位子を合成し、反応に用いたところ、芳香環上にメチル基を有する配位子が77-80%eeと良好な結果を与えることがわかった。今後はさらなるエナンチオ選択性の向上と、基質適用範囲の拡大を目標とする。エナンチオ選択性の向上に関しては当初の計画通り、シクロプロパンをキラルユニットとした配位子を開発することで解決する予定である。
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Research Products
(2 results)