2005 Fiscal Year Annual Research Report
鉄硫黄クラスター形成を担うSufタンパク質群の立体構造・形成機構の解析
Project/Area Number |
05J01432
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
近江 理恵 京都大学, 化学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | タンパク質 / 鉄硫黄クラスター / 立体構造 |
Research Abstract |
鉄硫黄タンパク質は細菌から高等真核生物に至るまで幅広く存在し、呼吸・電子伝達・酸化還元・窒素同化など重要な代謝反応に関与している。これらの多種にわたる鉄硫黄タンパク質の機能を支えているのが鉄硫黄クラスター合成・修復機能を持つタンパク質群であり、大腸菌において鉄硫黄クラスターの形成に関与するタンパク質は、複数のタンパク質からなるマシーナリー(Isc,Suf,Nif)を形成していることが知られている。Isc、Suf、Nifタンパク質群にはホモログの関係にあるタンパク質が存在する一方で、構成成分が異なるものもあり、それぞれがどのような役割を持って機能しているのかということは未だ未解明な点も多い。Sufタンパク質群はSufABCDSEから成り、第二の鉄硫黄クラスター合成系として機能すると考えられている。本研究では大腸菌由来Sufタンパク質群の立体構造・タンパク質間相互作用を解明し、原子レベルでの鉄硫黄クラスター形成機構を明らかにすることを目的としている。 今年度は、Sufタンパク質群(SufABCDSE)のタンパク質のうち、部分複合体を形成すると報告されているSufBCDについての精製・結晶化を目指して、複合体の生産・単離および結晶化を行った。SufBCDはそれぞれの遺伝子を共発現することで、複合体として生産、単離に成功し、結晶化まで行うことができた。しかし、結晶化には成功しておらず、今後は安定な複合体を形成する条件を、光散乱装置などを使って検索するとともに、発現・精製・結晶化条件の改良を行っていく予定である。
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Research Products
(1 results)