2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J01537
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 祐司 京都大学, 経済学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 雇用形態の多様化 / 正社員 / 就職 / 学校から職業への移行 / 正社員登用 / 正規雇用 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、正社員雇用と非正社員雇用の違いを探るために、大学生の正社員就職に関して研究を行った。それらの研究は次のとおりである。第一に、大学就職部が自校の卒業生を正社員就職させるために、自校への求人企業を紹介する試みについて明らかにした(「大学就職部による正社員就職の実現-求人企業の紹介形態と大学の就職パフォーマンス」)。第二に、各大学と各企業の制度的紐帯がどのように、各大学の正社員就職に影響しうるかを検討した(「大学新卒者の就職と大学・企業間ネットワーク-聞きとり調査と都道府県パネルデータによる実証分析」)。第三に、正社員就職を促すために、政府や行政としてどのような政策を打ってきたのかを分析した(「平成不況期における若年雇用政策-政策のフロンティアはどこにあるのか」)。また、非正社員の正社員への登用についても引き続いて研究を行った(「正社員登用の運用と効果」)。これらを通じて、研究課題に関して得られる含意は、正社員雇用と非正社員雇用では、就職時の入職メカニズムが大きく異なるということである。正社員雇用の就職時には、大学と企業といういわば組織間のリンケージが非常に重要な役割をしめるが、非正社員の場合、そのような組織間のリンケージは通例見られず、個人と企業がいわば直接的に結びつくことが多いように思われる。正社員登用においては、非正社員の登用について企業は正社員の観察を一定程度行っている。さらに、正社員と非正社員の企業内学習の違いについて、人的資源開発論において近年研究が進んでいるインフォーマル・ラーニングの視点から予備的考察を試みた。もっとも、この点は、年度内で研究成果をまとめられなかったので、今後の課題である。
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Research Products
(1 results)