2006 Fiscal Year Annual Research Report
フレアホモロジーによる4次元多様体とknotの研究
Project/Area Number |
05J01604
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
丹下 基生 京都大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | フレアホモロジー / デーン手術 / レンズ空間 |
Research Abstract |
昨年度の成果ではレンズ空間のcorrection termの公式を求めた。更にその公式を直接計算により変形することによってcorrection termがディラック作用素の指数や符号作用素の指数のある線形和と一致することがわかった。結局この不変量はFukumoto-Furuta不変量とも一致する。 レンズ空間がいつ3次元球面の結び目のデーン手術で得られるかという問題に取り組んだ。その結果そのような結び目のアレクサンダー多項式の第2成分が必ず-1になるということを突き止めた。この制限は今まで得られていた事実を使うと簡単に証明できることであるが明確にはどの文献にも書かれていない。Yi NiによってHFK(K, g)とファイバー結び目の特徴付けが行われた。これをHFK(K, g-1)の特徴付けが得られれば上記の成果かとあわせてより詳しい結び目の性質が引き出せるのではないかと考えている。 次にデーン手術の問題を一般のホモロジー球面に広げた考察をした。よってレ空間ホモロジー球面に対してデーン手術でレンズ空間が得られる揚合を求めることができた。Mapleによって計算をした結果、correction termが0と2以外には計算上そのようなホモロジー球面が現れてこないことがみてとれた。これはデーン手術によってレンズ空間が得るような結び目が存在しないようなホモロジー球面が存在することを意味する。このような結果は今まで得られていない。今後これらのことを接触幾何学や葉層構造を使った研究を進めていくつもりである。またcorrection termが2のときに現れるレンズ空間をいくつか分類することに成功した。その結果20種類のレンズ空間が存在することが分かった。またそれらのレンズ空間は全てボアンカレホモロジー球面の中の結び目のデーン手術から得られ、その結び目はボアンカレホモロジー球面の種数2のヘーガード曲面上に乗っていることを確かめることができた。これは3次元球面の場合にとてもよく似た現象である。
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Research Products
(1 results)