2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J01622
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小山 慎介 京都大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ベイズ推定 / 神経スパイク時系列 / 状態空間モデル / 経路積分法 |
Research Abstract |
近年の実験データ解析において,大脳皮質神経細胞のスパイク発火は,細胞が置かれている部位や層によって異なる性質を持つことが示唆されている.本研究の目的は,このような神経細胞に特徴的なスパイク発火の統計性をより精密かつ系統的にデータから抽出するための方法を構築することである.前年度に引き続き,今年度は以下の研究を行った. 実験データから神経細胞の活動率と細胞固有の特性を推定するために提案した経験ベイズ法を状態空間モデルとして定式化し,状態推定のための効率的なアルゴリズムを構築した.さらにアルゴリズムの収束性など,数学的な基礎付けを行った. さらに,経験ベイズ法が物理学における場の理論と数学的に類似した構造を有していることに着目して経路積分法による定式化を行い,経験ベイズ推定の漸近挙動や相転移の構造を明らかにした. 一方,神経活動の統計性と細胞の生物物理学的特性の関係を明らかにするため,神経スパイク時系列の統計モデルと神経活動の生物物理学的モデル(力学モデル)の対応関係を調べた.
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