2005 Fiscal Year Annual Research Report
中間子反応を用いたペンタクォークΘ+の生成および幅に関する研究
Project/Area Number |
05J01640
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三輪 浩司 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | pentaquark / exotic粒子 / ハドロン反応 |
Research Abstract |
Spring-8においてストレンジネス+1を含むバリオンΘ+が初めて報告された。このバリオンはそのクォーク構成要素が4つのquarkと1つのanti-quarkからなるエキゾチックな粒子であるとして非常に注目を集めている。しかしその存在に関しては約7の実験グループによって確認されたが、同じ程度の数の実験グループによって否定的な結果が報告されている。 我々はKEK-PS K2ビームラインで行なったE522実験でπ-p→K-Θ+反応をもちいてΘ+を探索する実験を行った。 この解析から質量にして1.53GeVに統計的有意度が2.7σのbumpを確認した。これはΘ+の候補と言えるのが有意度がそれほど高くなかったため生成断面積の上限値を求めた。 この反応を用いたΘ+の生成断面積の90%confidence levelの上限値としてビーム運動量が1.87GeV/cのときに1.8μb、1.92GeV/cのときに3.9μbという結果を得た。この結果をまとめ投稿論文として発表した。また本年度にK+p→π+Θ+反応でΘ+を探索する新しい実験を6月および12月にKEK-PS K6ビームラインにて行った。この実験では高運動量分解能を誇るK6ビームラインとSKSスペクトロメーターを用いてmissing mass分解能が2.4MeVという優れた検出器群を用いてΘ+を検索した。また本実験ではK+ビームのpi+への崩壊イベントやΔやK*生成が多くのバックグラウンドになり、これを抑制するためにターゲット直後に生成された荷電粒子のすべてを検出すめたるにシンチレーター50本からなるレンジカウンターとだいりつ体格をもつ大型ドリフトチェンバーを設置した。現在この実験で得られたデータの解析を精力的に行っており、この二つの実験からΘ+に関して深い知見から得られると考えている。
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Research Products
(1 results)