2005 Fiscal Year Annual Research Report
コロナ質量放出の発生機構及び発生後の惑星間空間への影響についての数値的観測的研究
Project/Area Number |
05J01664
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
塩田 大幸 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 電磁流体力学 / 太陽コロナ / 太陽フレア / コロナ質量放出 / 磁気リコネクション / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
本研究は、太陽フレアやコロナ質量放出(CME)などの太陽コロナ中での爆発現象における物理過程を明らかにすることを目的としている。 1.CMEの2次元磁気流体モデリング フレア・CMEの2次元磁気流体シミュレーション結果と観測結果との詳細な比較によって、それまで解明されていなかったCMEにともなう様々な現象(ディミングと呼ばれる密度の低下現象や、CMEの型的な構造であるthree-part structureなど)の形成過程を明らかにすることに成功した。この結果はThe Astrophysical Journalに掲出出版された。また、これらのシミュレーション結果から次期太陽観測衛星Solar-Bによって得られる観測についても計算し、観測計画への提案を行った。 2.3次元磁気流体シミュレーションコード開発 太陽フレアやCMEのエネルギー蓄積機構やトリガー機構、伝播過程を明らかにするために、磁場のねじれなどの3次元性が本質的に重要であると考えられ、3次元シミュレーションが最も有効な手段である。CMEの発生から地球軌道までの伝播を計算するため、球座標で離散化した3次元磁気流体シミュレーションコードの開発を行ってきた。計算方法として近似リーマン解法の一つであるHLLD法を用いた。HLLD法は、CME前面などに形成される衝撃波を性格に捉えることができるだけでなく、他の手法よりも数値不安定が起こりにくいという利点がある。研究計画では、コロナ底部と惑星間空間を別々のコードでシミュレーションを行う予定であったが、このコードは両方に適用することが可能であるため、これらのシミュレーション間のデータの受け渡しが容易にできる。 現在、全球でのテスト計算に成功しており、極域で格子点間隔が小さくなることによる弊害を回避するための新しい手法を開発テスト中である。
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Research Products
(1 results)